旧クリーン・ジャパン・センター
CJC調査研究報告書
2009年要旨
CJC-0901 | 銅系非鉄金属スクラップの高度分離・選別技術に関する調査研究報告書 (財団法人 機械システム振興協会 委託) |
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CJC-0902 | 銅系非鉄金属スクラップの高度分離・選別技術に関する調査研究報告書(要旨) (財団法人 機械システム振興協会 委託) |
国内発生銅スクラップの約30%、市中回収スクラップに限定するとその約40%が中国等に輸出されている(2005年)。貴重な国内資源である銅系スクラップの国内資源循環システムを再構築し、海外への流出を防止することを目的として、国内で使用できる品質の銅を低コストで分離・選別する技術について調査した。
世界金融危機の影響により銅の需給、資源価格が2008年後半に大きく変動した。銅系スクラップの流れも変わろうとしている。回収された銅スクラップの流通のルート、輸出の推移、銅価格の推移及び、銅製錬のプロセスの現状等の銅系非鉄金属のリサイクルの現状を踏まえて課題を整理した。
1.廃家電製品からの銅の分離・選別技術に関する調査
家電リサイクル施設における家電4品目の手解体・手選別、残部の機械破砕後の非鉄金属分離システムを調査した。また、各部品に含まれている銅の使用量を目安に各部品の銅と鉄の分離の問題点を調査した。
2.廃自動車から回収された銅系スクラップからの銅の分離・選別技術に関する調査
自動車解体施設における銅含有部品及びハーネス類の破砕前の取り外し状況並びに自動車破砕施設における非非鉄金属の分離・選別の状況について調査した。
3.廃家電・廃自動車に係る銅の分離・選別技術の統合化の検討
ミックスメタルから銅を国内で利用できる品位に高めた非鉄金属の分離・選別技術の最新動向を調べ、今後技術開発を推進すべき分離・選別技術やその促進の社会システムについて検討した。
そのうち、家電リサイクル施設からでるミックスメタルは物量が少ないので、個別の施設で対応するのでなく、ソーター式選別技術を使った集合処理について検討した。
複数プラントのミックスメタルを集め銅を高品位に選別するための集合処理プラントの設置
被覆付配線を受入られるような銅製錬所、伸銅メーカー側での設備改良
自動車系ミックスメタル選別施設への家電系ミックスメタルの合流処理
高品位銅の分離・選別による伸銅での利用の拡大
CJC-0903 | 「薄型テレビ(液晶テレビ、プラズマテレビ)用パネルガラスリサイクルのためのオンライン組成分析技術適用に関するフィージビリティスタディ」報告書 (財団法人 機械システム振興協会 委託) |
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CJC-0904 | 「薄型テレビ(液晶テレビ、プラズマテレビ)用パネルガラスリサイクルのためのオンライン組成分析技術適用に関するフィージビリティスタディ」報告書(要旨) (財団法人 機械システム振興協会 委託) |
薄型テレビ(液晶テレビ、プラズマテレビ)は家電リサイクル法の再商品化品目に追加される(平成21年4月改正施行)が、部品であるパネルガラスは、リサイクルできていない。元のパネルガラスに戻してリサイクルすることが有効なリサイクル工程であるが、製品ガラスの品質の維持等のため、使用済みのリサイクル用ガラスの組成識別が必須である。このようなパネルガラス組成識別のための画期的な手法として、迅速・簡易なオンライン組成分析技術を適用するためのフィージビリティスタディを行った。パネルガラスの厳しい組成範囲を検出できる高精度のオンライン組成分析装置は現在開発されておらず、代表的な4種類のパネルガラス試料を使い基礎特性の確認試験を行なった。NMR、蛍光X線分析(スペクトル比較法と FP法定量分析)、小型シンクロトロン(蛍光X線分析)ともに、分析元素等に制限はあるがパネルガラス組成を識別できる精度が得られた。この結果を基にオンライン化技術開発の基礎試験計画をまとめた。
- 1.パネルガラスのオンライン組成分析装置の要求仕様の明確化
- (1)要求仕様:オンライン化を最優先に検討することとし、分析時間は30秒~1分以内、検出精度は各種のパネルガラス識別ができる精度が必要であること、大気中で測定できること等を要求仕様とした。
- (2)パネルガラスリサイクルの経済効果試算結果 便益合計 3,532(百万円)
- 2.現状の分析装置の調査
パネルガラス組成分析がオンラインで可能な分析装置の調査結果を基に下記試験を行った。
(1)基礎特性の確認試験結果:代表的な4種類のパネルガラス試料で試験を行った。- I.NMR(東北大学で実施):Na, B, Al(3元素)について満足できる精度を得られた。
- II.蛍光X線分析(市販)(日本電子(株)で実施)
- (i)スペクトル比較法:スペクトルマッチングソフトによる相関係数でガラスの種類を見分けることができた。
- (ii)FP法定量分析:Na~Ba(14元素)について真空雰囲気で満足できる精度を得られた。
- III.小型シンクロトロン(蛍光X線分析)((株)光子発生技術研究所で実施):Zn~Ba(6元素)について満足できる精度を得られた。
- 3.要求仕様を満足できる分析技術の検討(技術的指針と今後の技術開発の試験計画)
- I.NMR:(1)MRI型装置の応用の検討 (2)他の元素への試験拡大
- II.蛍光X線分析(市販):
- (i)スペクトル比較法:再現性の確認試験を他のパネルガラスで行う等。
- (ii)FP法定量分析:(1)分光室内部のみの真空(またはHe置換)化(2)分光室の封じ切り材料等の検討
- III.小型シンクロトロン(蛍光X線分析):(1)みらくるCV1(H21夏完成)による試験 (2)高速検出器等を使用した試験
- IV.その他:高周波グロー放電発光表面分析等についても検討する。
CJC-0905 | 高度資源循環技術の開発状況の調査報告書(高付加価値リサイクル技術の開発状況調査)「再生資源の品質確保に係る技術開発状況調査」 (財団法人JKA補助事業) |
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3Rの高度化に向けて技術開発が推進されている。使用済み家電製品におけるプラスチックの自己循環にみられるように素材自体の再生・活用技術、高度資源循環や貴重な資源の回収の確保の観点から携帯電話に係る取組みなどの発展が期待されているところである。またEUにおける化学物質への取組みが強化されている状況にもかんがみ、使用済み製品中に含有する微量物質にも留意することが重要である。
これらの動向を踏まえ、3R高度化の先進事例として家電プラスチック、携帯電話、鉄(主として特殊鋼)、複写機を対象として、その要因について技術、システム、情報の観点から分析を行うとともに、これらの知見を踏まえて他の分野に適用する際の課題や対応について検討することにより、再生材の活用促進に資することを目的とした。
先進事例では、
- 各製品の特性に応じた使用素材また含有する貴金属・レアメタルや化学物質に関する情報が、リサイクルにおいて有効に活用されること、その結果高度な資源循環技術を通して、リサイクル材の付加価値を高める推進力となっていることについて改めて確認することができた。
- この情報は製造事業者からの主体的な取組を通して発信され、各システムを通して、リサイクル段階で共有化されており、改めて製造事業者の果たす役割の重要性について認識された。
- 先進事例から参考となる知見についてまとめてみると、製造事業者による環境配慮設計等に基づく取組が核となり、関係事業者間の連携を通して、質に関する情報の共有化、各事業者の有する技術の活用など有機的なつながりにより高付加価値リサイクルシステムが構築されている。
これらの先進事例の知見から、3R高度化のためには
- リサイクル材の質を把握し、質を確保すること
- 質に配慮したリサイクル技術の開発・適用化を推進すること
- 環境配慮設計など環境経営を推進すること
- 効率的な回収システム作り
等が重要なポイントであると考えられる。
先進事例では消費者や事業者からの理解と協力を得るため、種々の効果的な活動が実施されている。業界全体が協働した回収システム作りや下取りの仕組み作りも有効であり、日頃からのユーザーとのつながり、密接な連携を図ることが有効である。
これらの先進的な取組事例による知見を参考とし、広く製造事業者によって環境配慮設計等が進められることにより、製品のリサイクル段階においてリサイクル材料の種類や特性が明らかとなるなど付加価値が高まり、新たなリサイクルへとつながるものと考えられる。このため、各々の事業者において、製品の特性を踏まえて、リサイクル段階やリサイクル材の利用段階に活かされるよう質に係る情報やその提供手法の検討など、物の流れの中で情報を共有するシステムの具体化に向けて取り組まれることが期待される。また、先進事例においては、共同利用が可能なシステム作りなどにおいて業界全体による取組が重要な役割を果たしていることから、協働した取組の検討を通して、より実効性を高めていくことが期待される。
本調査事業では、下記の内容について調査を行った。
(1)先進事例実態調査
3Rの高度化の代表事例として、素材の高度資源循環、使用済み製品に含まれる物質(資源、微量物質)に焦点を当てた取組みを対象に、そのリサイクルシステムや、それを支える技術、情報について、その実態把握を行った。
【対象】・家電製品(回収4品目) ・携帯電話 ・鉄(主として特殊鋼) ・複写機
(2)先進事例の分析調査
先進事例実態調査結果を踏まえて、素材の高度資源循環や含有する資源の回収など、より付加価値を高めるために重要となる項目について、知見を得た。
【主な知見】
・システム:全体の構成、関係者間の役割・連携、環境経営への取組みなど
・技術:材料の付加価値を高めるための技術(種類・材料等の特定、回収・分離方法、機能評価、再生方法など)
・情報:種類・材料等に関する情報、付加価値を高めるための情報など
(3)他の分野への適用に向けての課題と対応
上記の成果を踏まえて、他の分野における高度化に参考となる事例について、知見としてとりまとめを行った。また類似する分野での製品や廃棄物の特性等について、知見の収集を行うとともに、高度化に向けての課題等について検討を行った。
CJC-0906 | 事業者による3R教育推進システム実態調査事業報告書 (経済産業省委託事業) |
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近年、CSR活動等の一環で企業や団体が、次代を担う子供たちの環境・3R教育に資する取組(例:3Rに関する工場見学の受け入れ、出前講師の派遣、各種教材の提供・貸し出し、インターネットによる情報提供、等)を行うようになってきた。
本調査では、こうした事業者による3R教育に関する取組の促進と、教育現場におけるそれら取組メニューの活用促進を目的として、主要な企業・団体・教育関係者を対象に以下の事項を調査した。
<企業・団体を対象とした調査事項>
- (1)3R教育に関する取組の実施状況、並びに具体的な実施内容
- (2)3R教育に関する取組メニューの利用状況
- (3)3R教育に関する取組を行う上での課題・問題点、等
<教育関係者を対象とした調査事項>
- (1)企業・団体が提供する3R教育に関する取組の認知度
- (2)企業・団体が提供する3R教育に関する取組メニューの利用状況
- (3)企業・団体が提供する3R教育に関する取組に対する評価・意見・要望、等
CJC-0907 | 使用済製品からのネオジム磁石の回収・リサイクルシステムに関する調査研究報告書 (財団法人JKA補助事業) |
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ネオジム磁石は永久磁石のなかで最も強力な磁石であり、ハイブリッドカーや省エネ型家電製品のモータ、パソコン用ハードディスクなどに欠くことのできない先端部品である。
しかし、ネオジム磁石の主成分であるネオジム、ジスプロシウムを含む希土類鉱石の産出は特定の国に偏在している。特にジスプロシウムを含む希土類鉱石は中国に偏在しており、ネオジム、ジスプロシウムの生産も中国が独占している。この結果、圧倒的な優位をもつ中国はネオジム、ジスプロシウムの輸出許可量を減らしてきている事など我が国の資源確保に不安が生じている。
これらの対応策として、パーソナルコンピュータ、家電製品、携帯電話・PHS、自動車、MRIなど使用済製品の回収・リサイクルシステムがすでに存在している製品を対象として、使用済製品からネオジム磁石を取り出し、日本国内でそれを再生してネオジム、ジスプロシウムを生産することについて調査した。その結果、現在の資源価格では経済性の課題を抱えているが、ネオジム磁石を分離・回収できれば、既存のネオジム・ジスプロシウムの製造工程を活用してリサイクルできる可能性が高いことが判明した。関係者が連携して使用済製品からのネオジムジム磁石のリサイクルシステムを早期に構築することが期待される。
CJC-0908 | リサイクルデータブック2009 (財団法人JKA補助事業) |
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本冊子は、資源投入、生産活動に伴い発生する廃棄物・副産物ならびに市民生活に付随して発生する廃棄物の現状を、日本全体、各産業及びその製品について公開されている最新のデータを使用してグラフィカルに整理したものです。
私たちは、多くの資源を使用して商品の生産、土木・建築物の建設等を行っています。このような生産活動に伴い大量の廃棄物・副産物が発生し、そのうち資源として有用なものは製造・工事の原材料・資材として有効利用されますが、残りは不要物として廃棄処分されます。また、商品や建設物もやがて使用済みとなり、中古品として市場で流通し再び使用されるもの、原材料にリサイクルされるもの、不要物として廃棄処分されるものなどになります。
本冊子は、このような資源投入、生産、消費、廃棄、リサイクル、最終処分という一連のライフサイクルについて、日本全体、各産業及びその製品ならびに自治体の状況を図表で紹介し、各データの意味や相互関係を説明しています。
【主な内容】
- 日本のマテリアルバランス
- 資源投入の状況
- 廃棄物、副産物、使用済物品の状況(産業別)
- 市町村の処理の状況
CJC-0909 | 平成21年度 3R先進事例発表会講演論文集 (財団法人JKA補助事業) |
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10月2日、科学技術館サイエンスホールにおいて『平成21年度 3R先進事例発表会』を開催しました。
講演テーマは下記の通りです。
【3R先進事例】
- 「ALC(軽量気泡コンクリート)リサイクルシステムへの取り組み」
東海工業(株)珪石建材事業部 副部長 伊藤 嘉規 - 「家電回収プラスチックの「ペレタイズレス」リサイクルシステムの開発」
パナソニック(株)ホームアプライアンス社 リサイクル事業室 室長 西川 浩二 - 「石炭灰の道路用資材としての有効利用」
(株)神戸製鋼所 鉄鋼カンパニー 加古川製鉄所 製銑部 製銑技術管理室 主任部員 大方 敏仁 - 「紙おむつリサイクルシステム」
トータルケア・システム(株)代表取締役 長 武志 - 「廃ゴム乾留炭化物とゴミ溶融スラグのポーラスアスファルト舗装材への有効利用」
鹿島道路(株)中四国支店 工事部技術試験所 所長 横引 功三 - 「ASR(自動車シュレッダーダスト)再資源化による排出ダストの削減」
(株)エコネコル 経営戦略室長 安延 崇 - 「自由形状の改良体を構築できる地盤改良(マルチジェット工法)による建設汚泥の削減」
前田建設工業(株)土木事業本部 土木部 マネージャー 手塚 広明 - 「脱水ケーキリサイクル装置」
(株)氣工社 資源・環境営業部 課長 篠原 圭介 - 「間伐材等の有効利用による法面の広葉樹林化事業」
(有)クスベ産業 代表取締役 楠部 勝巳 - 「Aフルート段ボールからCフルート段ボールへの転換による廃棄物の発生抑制」
レンゴー(株)環境・安全衛生部 環境課 担当課長 山下 毅 - 「樽生ビールサーバー管理システム「セパレサーバーシステム」」
サッポロビール(株)マーケティング本部 新価値開発部 パッケージング技術開発センター センター長代理 門奈 哲也 - 「鶏ふん焼却によるバイオマス発電と資源循環」
みやざきバイオマスリサイクル(株) 取締役工場長 武津 利男 - 「「ランプtoランプ」を目指す蛍光管リサイクル事業」
(株)ジェイ・リライツ 代表取締役社長 櫻井 文夫 - 「鉄鋼プロセスにおける耐火物のリサイクル技術の開発」
新日本製鐵(株) 技術開発本部 環境・プロセス研究開発センター 無機材料研究開発部 主幹研究員 花桐 誠司 - 「ウイスキー樽材を再利用した「ピュアモルトスピーカーシリーズ」の開発・製造、販売の拡大・発展」
パイオニア(株)品質管理部 製品環境部 主事 福島 隆 - 「紫外線重合法による工業用粘着テープ製造工程での有機溶剤不使用化」
ソニーケミカル&インフォメーションデバイス(株) アドバンストマテリアル事業部 開発技術部長 早乙女 弘
【特別講演1】
「3R政策について」
経済産業省 産業技術環境局 リサイクル推進課長 横山 典弘
【特別講演2】
「生物資源活用型産業の創製―C, H, O循環型社会の構築―」
(独)理化学研究所 植物科学研究センター メタボローム基盤研究グループ 先端NMRメタボミクスユニット ユニットリーダー 菊地 淳