シンガポールのごみのゆくえ
レポーター: 伊藤航太郎 くん (2016年執筆)
ごみはどうやって処理されているの?
1.一般ごみ
集収された後、焼却場へ送られ、焼却します。
燃えるごみは燃やして90%体積を減らします。
残った灰は燃えないごみとともに、シンガポール北西部沖合30キロのセマカウ島の埋め立て地へ船で運ばれます。
セマカウ島埋め立て地は、2035年まで使用する予定です。
セマカウ島の埋め立て地の建設が原因で、島の沿岸のマングローブ林が失われてしまったので、海の生き物の環境をこわさないように、マングローブの苗木が植林されています。
マングローブとは?
熱帯や亜熱帯地域の川の入口や、満潮になると海水が満ちてくるところに生えている植物をまとめてマングローブといいます。
マングローブには魚やカニなどたくさんの生き物が住んでいます。マングローブが失われると、自然や生き物たちのすみかも失われます。
2.リサイクルごみ
NEAが決めた国家リサイクルプログラム(National Recycling Programme(2001年4月施行))にもとづいて、ごみ集収業者がリサイクルごみ箱をコンドミニアムやHDBのごみ置き場、一軒家の前に設置し、集収しています。
集収されたリサイクルごみは、品目ごとに分けられ、その後、それぞれの品目のリサイクル工場へ運ばれ、再生されます。
誰がごみを集めているの?
民間のごみ集収業者がごみを集めています。
NEAから許可を得たごみの集収業者(4社:SembWaste社、VeoliaES社、Colex社、800Super社)が、シンガポール島内の決められた地域別にごみを集収しています。下の図は、ごみ集収業者がどのまちのごみを集収しているのかを色分けしたシンガポールの地図です。
民間のごみ収集業者がどの地域のごみを集めるのか色分けしたシンガポールの地図
写真提供:シンガポール国家環境庁(National Environment Agency)
(Photograph courtesy of National Environment Agency, Singapore)
品目別に分別してそれぞれの処理工場へ運ぶ
写真提供:Veolia ES 社
(Photograph courtesy of Veolia ES, Singapore)
粗大ごみはどうするの?
ごみ集収業者が集めています。
1.HDB
地域の自治会に連絡します。(1か月に3個まで無料。4個目からは有料。自治会が費用を負担している場合が多い。)
2.コンドミニアム
コンドミニアムのごみ置き場に出します。
コンドミニアムが契約したごみ収集業者がごみを収集します。
3.一軒家
民間のごみ収集業者に連絡をとり、有料で集収してもらいます。
上記以外に、民間のリサイクル業者(必要なもののみ引き取りリユースする)または、慈善事業団体へ寄付する方法もあります。