cjc | 3月号-3
 
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20年度調査研究紹介
当センターが平成20年度に実施した調査研究事業を順次ご紹介いたします。
高度資源循環技術の開発状況の調査(高付加価値リサイクル技術の開発状況調査)「再生資源の品質確保に係る技術開発状況調査」 (競輪補助事業)

 本調査は、3Rの高度化に向けて推進されている技術開発の動向の中から、3R高度化の先進事例として家電プラスチック、携帯電話、鉄(主として特殊鋼)、複写機の4事例を取り上げ、システム・情報・技術の観点から分析を行い、そこで得られた知見をもとに、他の分野に適用する際の課題や対応策を抽出することを目的としました。


 1. 調査結果の概要

 先進4事例では、以下のことがほぼ共通的に確認できました。なお先進事例の一例として図に廃家電製品3R のシステム・情報・技術のフローを示します。

各製品の使用素材に含有する貴金属・レアメタルや化学物質に関する情報が、リサイクルにおいて有効に活用されること、その結果高度な資源循環技術を通して、リサイクル材の付加価値を高める推進力となっていることが確認できました。

この情報は製造事業者の主体的な取組を通して発信され、各システムを通して、リサイクル段階で共有化されており、製造事業者の果たす役割の重要性について認識されました。

製造事業者による環境配慮設計等に基づく取組が核となり、関係事業者間の連携を通して、品質に関する情報の共有化、各事業者の有する技術の活用などの有機的なつながりにより高付加価値リサイクルシステムが構築されています。


 2. 高付加価値リサイクルシステム構築のポイント

 3R高度化のためには

①リサイクル材の質を把握し、質を確保すること

②質に配慮したリサイクル技術の開発・適用化を推進すること

③環境配慮設計など環境経営を推進すること

④効率的な回収システム作り

等が重要なポイントであると考えられました。

 先進事例では消費者や事業者の理解と協力を得るため、種々の効果的な活動が実施されており、業界全体が協働した回収システム作りや下取りの仕組み作りも有効であり、日頃からのユーザーとのつながり、密接な連携を図ることが有効です。

 また広く製造事業者によって環境配慮設計等が進められることにより、製品のリサイクル段階においてリサイクル材料の種類や特性が明らかとなるなど付加価値が高まり、新たなリサイクルへとつながるものと考えられます。

 各々の事業者において、製品の特性を踏まえて、リサイクル段階やリサイクル材の利用段階に活かされるよう質に係る情報やその提供手法の検討など、物の流れの中で情報を共有するシステムの具体化に向けての取組みが期待されます。また、先進事例においては、共同利用が可能なシステム作り等で業界全体での取組みが重要な役割を果たしていることから、こうした協働した取組みの検討を通して、より実効性を高めていくことも期待されます。

 また3Rの高度化に向けて技術開発が推進されています。使用済み家電製品におけるプラスチックの自己循環にみられるように素材自体の再生・活用技術、高度資源循環や貴重な資源の回収の確保の観点から携帯電話に係る取組みなどの発展が期待されているところです。またEUにおける化学物質への取組みが強化されている状況にもかんがみ、使用済み製品中に含有する微量物質にも留意することが重要です。


図 廃家電製品3Rのシステム・情報・技術のフロー
図 廃家電製品3Rのシステム・情報・技術のフロー



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