廃棄物の発生抑制、再生利用の推進により資源の効率的な利用・循環を促進し、もって環境の保全、経済の振興、持続可能な社会を実現することを目的として活動しています。
cjc
当センターは平成14年度、経済産業省等からの受託業務、受託調査研究等により調査研究報告書18件広報普及冊子・ビデオ等5件を作成発行しました。これらの成果品の主なものを、前号と今号とでご紹介します。
なお、成果品は当財団内の「環境リサイクル情報センター」(閲覧室)にて一般公開されています。
また、当センター賛助会員の皆様へは、全報告書をCD-ROMで無料提供致します。(12月上旬)
■廃棄物等用途開発・拡大実施事業報告書
(経済産業省 委託事業)
この事業は、再生資源の新規用途の開発・拡大等を図るため廃棄物を利用した試作品の製造やリサイクルしやすい製品の試作を行い、性能試験、安全性試験、市場調査、標準化の検討等を実施するとともに、試作品の展示を行うものです。平成14年度は6テーマが選定され、平成15年3月まで事業が実施されました。報告書には各テーマごとに実施内容の詳細が記載されていますが、表にそれぞれの概要を記します。
■
熱硬化性樹脂などの液相分離法によるモノマー・化学原料への
ケミカルリサイクル技術の開発成果報告書
(NEDO 委託事業)
1 研究の目的
本研究は、有効利用が難しく年間100万t以上廃棄されている熱硬化性樹脂などからモノマー・化学原料を選択的に分解・生成することを工業的に行うために、液相分解における適切な溶剤の選択を行い、種々の反応条件下におけるモノマー回収率を向上させる技術を確立し、実用プロセスの概念設計を行うことを目的とした。
2 実施内容
本研究では 独立行政法人産業技術総合研究所により開発された液相分解法を基に、廃紙フェノール銅張積層板および廃コンパクトディスクを対象として、反応温度や溶剤などを最適化し、モノマーを効率良くかつ選択的に生成できるケミカルリサイクル技術の開発を行った。
3 研究結果
●フェノール樹脂
最適分解条件を表1に、液相分解プロセスフローを図1に示す。また、反応温度250℃以下で行うことで、紙フェノール樹脂銅張積層板に含まれる紙基材を回収することができた。
●ポリカーボネート樹脂
最適分解条件を表1に、液相分解プロセスフローを図2に示す。得られたビスフェノールA(BPA)を再利用する場合、市場要求から純度99.9%以上が必要と考え、プロセスシミュレータを用い、蒸留による分離・精製工程の概念設計を検討した結果、蒸留塔4塔を使用することで純度99.9wt%まで精製できることを確認した。
●ケミカルリサイクルシステムの設計・評価
各樹脂の液相分解法における実機規模の概念設計を実施し、これに基づいて、エネルギー消費量およびCO2排出量を算出し、既存プロセスである加熱・燃焼法と比較した。その結果、加熱・燃焼法に比べて、液相分解法におけるエネルギー消費量はマイナスに転じ、また、CO2排出量は約73%減少することが明らかとなった。
以上のように、技術的にはいずれも実証段階を迎えており、安価な溶剤の探索、再生モノマーを使用した再製品化と評価、さらには市場調査などの課題をクリアすれば実効的なシステムになると思われる。
クリーン・ジャパン・ニュースレター No.6 2003.11
●
4
|
back
|
top
|
next
|
Copyright (C) 2002 CJC. All Rights Reserved.