cjc | 3月号-3
 
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容器包装リサイクル法改正案の概要

  市町村が分別収集・分別保管した容器包装廃棄物(ガラスびん、ペットボトル、紙製容器包装、プラスチック製容器包装)を事業者が再商品化するという仕組みを定めた容器包装リサイクル法は、平成7年6月に成立・公布され、同年12月の第一段階施行以降、概ね10年が経過しました。その結果、分別収集実施市町村数は順調に増加し再商品化量も拡大するなど一定の成果を上げていますが、課題も明らかになっています。
  産業構造審議会廃棄物・リサイクル小委員会容器包装リサイクルWG及び中央環境審議会は、平成16年7月から平成18年1月にかけてそれぞれ計30回の会議を開催して議論を行い、審議結果に対する国民の意見募集(パブリック・コメント)を経て最終とりまとめを行いました。
  本とりまとめを踏まえた容器包装リサイクル法の改正法案は3月10日閣議決定され、今国会(164回)に提出されました。その概要は次のとおりです。なお、詳細については、経済産業省及び環境省のホームページ(http://www.meti.go.jp/press/20060310001/20060310001.htmlhttp://www.env.go.jp/press/press.php?serial=6921)をご参照ください。


1. 容器包装廃棄物の排出抑制の促進

(1) 目的及び基本方針等の規定において容器包装廃棄物の排出の抑制の促進に係る規定が追加されました。
  (第一条、第三条、第五条、第六条、第八条及び第九条関係)
(2) 消費者の意識向上や事業者との連携を図るための取組について、次の事項が規定されました。
.容器包装廃棄物の排出の抑制についての消費者の意識啓発等を図るため、環境大臣が「容器包装廃棄物排出抑制推進員」を委嘱することができることとすること。(第七条の二関係)
.環境大臣は、容器包装廃棄物の排出の抑制に資する情報の収集、整理及び提供や容器包装廃棄物の排出量等の調査及び公表を行うこととすること。(第七条の三関係)
(3) 事業者の自主的取組を促進するための措置について、次の事項が規定されました。
.主務大臣は、その事業において容器包装を用いる事業者であって、政令で定める業種に属する事業を行うもの(以下「指定容器包装利用事業者」という。)による容器包装廃棄物の排出の抑制を促進するために、判断の基準となるべき事項を定めることとすること。また、この場合、主務大臣はあらか

 
じめ環境大臣に協議するとともに、環境大臣は必要に応じて、主務大臣に意見を述べることができることとすること。(第七条の四関係)
.主務大臣は、判断の基準となるべき事項を勘案して、指定容器包装利用事業者に対する指導及び助言を行うことができることとすること。(第七条の五関係)
.指定容器包装利用事業者であって、その事業において用いる容器包装の量が政令で定める要件に該当するもの(以下「容器包装多量利用事業者」という。)は、毎年度、容器包装を用いた量及び容器包装の使用の合理化により容器包装廃棄物の排出の抑制を促進するために取り組んだ措置の実施の状況に関し、主務大臣に報告しなければならないこととすること。(第七条の六関係)
.主務大臣は、容器包装廃棄物の排出の抑制の促進の状況が著しく不十分な容器包装多量利用事業者に対し、必要な措置をとるべき旨の勧告、勧告に従わなかった場合の公表、公表後に正当な理由なく当該勧告に係る措置をとらなかった場合の命令を行うことができることとすること。(第七条の七関係)
.市町村は、市町村分別収集計画を定め、又は変更したときは、これを公表することとすること。(第八条第四項関係)


2. 事業者が市町村に資金を拠出する仕組みの創設

 市町村から特定分別基準適合物の引渡しを受けた指定法人又は認定特定事業者は、その再商品化に現に要した費用の総額として主務省令で定めるところにより算定される額が再商品化に要すると見込まれた費用の総額として主務省令で定めるところにより算定される額を下回るときは、その差   額に相当する額のうち、各市町村の再商品化の合理化に寄与する程度を勘案して主務省令で定めるところにより算定される額の金銭を、主務省令で定めるところにより、当該各市町村に対して支払う仕組みが創設されました。(第十条の二関係)


3. その他

 (1)再商品化の義務を果たさない特定事業者に対する罰金の額の引上げ等所要の規定の整備が図られました。(第四十六条から第四十九条まで関係)
  (2)基本方針に定める事項に「分別収集された容器包装廃棄物の再商品化のための円滑な引渡しその他の適正な処理に関する事項」が追加されました。(第三条第二項関係)

「事業者が市町村に資金を拠出する仕組み」における「再商品化費用の効率化分」のイメージ

4. 施行期日等

 (1)施行日は、基本的に公布の日から起算して6か月を超えない範囲内において政令で定める日とされています。(附則第一条関係)
  (2)施行5年後の見直しが規定されています。
(附則第四条関係)




クリーン・ジャパン・ニュースレター[No.15]3

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