ムンバイ市のリサイクル
レポーター: 宮西 貴子さん (2024年執筆)
お家から出たごみはどこへゆくの?
集められたごみは、生ごみ、注射器、電線、プラスチック、ガラスなどごちゃ混ぜに捨てられています。
そのごみの中から、ガラスや布などリサイクルできるものを分別して集め、リサイクル業者に売って生活をしている人たちがいます。
例えば、ダラヴィ(dharavi)は、100万人以上の人が住む巨大なスラム街です。
徐々にリサイクル産業が根づき、今ではムンバイ市のリサイクルの大きな役割を担うようになりました。下の写真は、ごみの中から選別されたプラスチックを保管している場所です。ムンバイ市のプラスチック廃棄物の80%が、ここダラヴィでリサイクルされていると言われています。
プラスチックを選別する人、砕く人、洗う人、ペレットにする人など、細かく分業化されているので、仕事を協力してスムーズに進む仕組みができています。
下のイラストのように、家庭ごみから、洗剤ボトルやおもちゃなどのプラスチックを手作業で選別します。1キロ80ルピー(≒154円、2024年7月時点)で売れると言っていました。
このあたり一帯は粉砕した粉が舞っていて、咳がでます。
そんな環境の中でも、てきぱきと仕事をしていました。
どんな対策をすればいいのかな?
ムンバイ市は人口が多く、大きなごみ山や、ごみによる大気汚染など問題になっていることがわかりました。ムンバイ市の人々も、何とかしなければと頑張っています。夏には気温が35度になりますが、そんな中でも毎週ボランティアで海岸のごみ拾いをする人々やNGO団体がいます。
しかし、大量のごみ問題を解決するには、ごみを分別してから回収する仕組みづくりや、ごみを適正に処理するごみ処理施設を建てたり、ポイ捨てを防止するための環境教育など、政府や企業、教育機関の力も必要です。
この日も朝8時から、中学生や近くに住む人などたくさんのボランティアが集まっていました。汗だくになりながらみんなで協力してごみ拾いをしました。
私たちは、思いがけず、日々たくさんのごみを出します。
例えば、野菜などを包んでいる包装。スーパーでカレーの材料を買っただけで、たくさんのプラスチック袋や発泡スチロールのトレーがごみになりますね。
インドの市場では、野菜や果物は量り売りをしてくれます。タマネギやジャガイモはむき出しのまま積まれていて、好きな分だけ買うことができます。買ったものは、家から持参したマイバッグで持ちかえる人が多いです。
3Rと呼ばれる、リデュース(Reduce)、リユース(Reuse)、リサイクル(Recycle)。
この中でも、「リデュース(Reduce)=ごみの量自体を減らすこと」、がまず大事だと思っています。
もしかしたら、ごみを出さないアイデアが他にもあるかもしれません。
ぜひ一緒に考えていきましょう。