ムンバイ市のごみ問題
レポーター: 宮西 貴子さん (2024年執筆)
景観にはどんな影響があるの?
巨大な人口を抱えるムンバイ市では、日々、大量のごみが生まれています。
どのような影響があると思いますか?
1つめに、景観が悪くなります。
この写真の場所はどこだと思いますか?
① ごみ処分場
② 砂漠
③ ビーチ
答えは、③、あるムンバイ市の海岸、ビーチです。
果てしなくごみが広がっているムンバイ市のビーチで、ボランティアメンバーと海岸のごみ拾いをしました。海岸がごみで埋め尽くされていて、そのごみの多さに驚きました。
砂浜には、Tシャツや手袋、使い終わった注射針、プラスチックの袋など様々なものが埋まっていました。ごみがあちらこちらに落ちている原因の一つとして、大人も子どももポイ捨てをする習慣が残っていることがあげられます。また、川に捨てられたごみが海に流入し、日々、海岸に流れ着いているようです。
ムンバイ市では、きれいな海を目指して、自治体やボランティアの有志のメンバーなどが、日々清掃に取り組んでいます。
インドでは、施設や街の掃除は、道路清掃員など清掃を仕事とする人がするという文化があります。学校でも、掃除は掃除のスタッフがしてくれるので、教室にごみ箱を置いていないところもあります。
なぜかというと、インドでは、カースト制度が習慣として残っているからです。
お掃除は、その身分に生まれた人の仕事であるため、他の人が彼らの仕事を奪ってはいけないという考え方があります。世界一人口の多いインドでは、あらゆる人が仕事につけることが重要なのだそうです。
健康にはどんな影響があるの?
2つ目、ごみは景観だけでなく、健康にも影響を及ぼします。
特にムンバイ市の冬の大気汚染は深刻で、景色がかすんでみえるほどです。その原因は車の排気ガスや野焼き、道路やビルの建設工事のホコリ、そしてごみが大規模に燃やされていることと言われています。ぜんそくなど呼吸器疾患を訴える人が多いです。