どうしてリサイクルしないといけないの?
「ごみをへらすこと」がまず大切なことは、「どうしてごみをへらさなければならないの?」で学びました。
しかし、「もの」には役わりを終え、使えなくなり、「ごみ」になる時が必ずきます。
このときには次の理由により、リサイクルしなければいけません。
「健康、くらし、かんきょう」について考えると
(理由)
- ごみには、もやしたり、うめ立てたりすると、人の健康やかんきょうに悪い影響をあたえる原因となるものがあります。
- ごみのうめ立て処分場を新たに作ると、海岸、森などの自然が失われます。
- ごみをもやしたり、うめ立てたりするとお金がたくさんかかります。
「資源」について考えると
(理由)
- ごみは、もともと天然資源からできています。だから、ごみをもやしたり、うめ立てたりすることは天然資源をむだに使っていることになります。
しかし、天然資源にはかぎりがあります。
かぎりある天然資源を今後も有効に使っていくためにリサイクルが必要なのです。
「エネルギー」について考えると
(理由)
- アルミ缶など資源ごみから「もの」を作ると、
天然資源から「もの」を作るときにくらべて、エネルギーの使用量が少なくなります。
◆どれだけエネルギー使用量がへるの?
アルミ缶の例
アルミ缶をアルミ地金(アルミ缶の原材料)へリサイクルした場合、
天然資源(ボーキサイト)からアルミ地金を作るときに比べて
エネルギー使用量を94%へらすことができます。
アルミ地金を作るのに必要なエネルギーの比較
出所:環境省「『3R行動見える化ツール』にかかる3R行動原単位の算出方法<別冊>平成27年10月」をもとに作成
(参考)
アルミ缶1 kg (500 ml×50個)をリサイクルすると
原油換算 2.5 リットル
出所:環境省「『3R行動見える化ツール』にかかる3R行動原単位の算出方法<別冊>平成27年10月」
「地球温暖化」について考えると
(理由)
- 地球温暖化の原因となる二酸化炭素は、おもに石炭、石油、ガスをもやして電気や熱などのエネルギーを作るときに発生します。
リサイクルによって、これらエネルギーの使用量がへるので二酸化炭素の量もへります。
◆どれだけ二酸化炭素がへるの?
アルミ缶の例
アルミ缶をアルミ地金(アルミ缶の原材料)へリサイクルした場合、
天然資源からアルミ地金を作るときに比べて
二酸化炭素の出る量を96%へらすことができます。
(参考)
アルミ缶1 kg (500 ml×50個)をリサイクルすると
二酸化炭素 8.6 kg
出所:環境省「『3R行動見える化ツール』にかかる3R行動原単位の算出方法<別冊>平成27年10月」
ペットボトルで考えてみよう
例えば、ペットボトルを考えてみましょう。
ペットボトルは資源(石油)を外国からゆにゅうし、工場で加工してつくられます。
その後、お茶やジュースなどをつめて製品となり私たちのところにやってきます。
お茶やジュースを私たちが飲んで、使い終わった後のペットボトルはどうなるでしょうか。
リサイクル「しない」場合と「する」場合で比べてみましょう。
リサイクルしない場合 |
リサイクルする場合 |
もやしたり、うめ立てたりする量が増える。
- もやすための清掃工場が必要。
- うめ立処分場が必要。
- 新しいうめ立処分場がやがて必要になり、自然環境にえいきょうをあたえる。
- ペットボトルをもやすと二酸化炭素が出る。
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もやしたり、うめ立てたりする量がへる。
- もやすための清掃工場が不要。
- うめ立て処分場が不要。
- 新しいうめ立処分場を作らなくてよいので、自然環境へのえいきょうがない。
- ペットボトルをもやさないので、二酸化炭素が出ない。
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外国からゆにゅうした資源(石油)を原材料として、新しいペットボトルを作る。
- 原材料としての資源(石油)の使用が増える。
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ごみとなったペットボトルをもう一度資源に戻して、新しいペットボトルを作る。
- 原材料としての資源(石油)の使用が減る。
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リサイクルすると、次の良いことがあります。
○ もやす量、うめ立てする量がへる。この結果、
- 健康、自然環境、くらしに良い。
- ごみの処理費用がへる。
- 天然資源(石油)の使用量がへる。
- 地球温暖化の原因となる二酸化炭素がへる。
動画を見てみよう |
(独)国立環境研究所
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リサイクルしない方が良いときもあります
「ごみ」となった「もの」はできるだけリサイクルすべきですが、同じ種類の量が集まらない、手間がかかって費用がかかりすぎるなどの理由でリサイクルできないものもあります。
例えば
- けしごむのかす
⇒量を集めるのが大変です
- 油がベトベトのお弁当のよう器
⇒あとで油の汚れを落とすのが大変です
などです。