cjc | 6月号-3
 
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平成17年度調査研究報告(平成17年度日本自転車振興会補助事業)

「オフィス家具の回収・3Rシステムの現状と今後のあり方」


1. オフィス家具の回収・3Rの現状

 オフィス家具とはオフィスで使用される椅子、机・テーブル、用収納家具・棚、ローパーティション等を指し、機能的には長期耐用の機器類ですが、近年の企業合併、社屋の移転などの社会情勢の変化により、未だ機能的には使えるものも多量に排出される機会が多くなっています。
  オフィス家具業界では、早くから材質表示など製品の3R配慮設計に取り組み、設計時の製品アセスメント実施を開始してから約10年を迎えようとしており、既に3R配慮設計を盛り込んだ製品が使用済みとして排出され始めています。
  現状の使用済みオフィス家具の回収台数は販売台数の約75%と見込まれ、約1500万台と推定されている。その殆どが古物商や廃棄物処理業者等の業界外で処理され、小売店を含むオフィス家具関連業界での引取は約20%程度と推定されています。その内で更に(社)日本オフィス家具協会(JOIFA)の構成企業に回収製品が持ち込まれることは非常に少ないのが現状です。
  金属の回収再資源化はシュレッダー業者経由で実施されていますが、プラスチックの再生利用等は困難な状況にあります。

2. 本調査の概要

(1)   オフィス家具業界の回収・リサイクルへの直接関与に関する調査
  直接回収されているのは、販売量の2.7%程度と少ない。
(2)   オフィス家具の使用材料の材質調査(材質表示調査を含む)
 

いずれも金属が殆どで、椅子には樹脂が、机には木が金属に次いで使われている。(図1参照)

図1 使用材料のグラフ

(3)   椅子、机の解体性等の調査とそのコスト評価のための手法検討
  再資源化の経済性を左右する解体性評価手法検討のため、各社の椅子、机を実際に解体し解体所要時間を計測し、解体の程度と解体された部品等の廃棄処理費用又は再生素材としての売却益について評価する方法を検討しました。
  樹脂の再資源化は解体により部品単位で選別されることが前提になりますが、それを実現する回収システムの整備が可能かどうかにかかっています。
(4)   回収製品・回収部品をリユースした試作品の制作(部品リユースの新しいコンセプトの発掘)
  中古品を価値の高いものに生まれ変わらせるリファービッシュ・デザインの考えのもとに椅子の脚部を利用したロビーテーブル、ロビーチェアや机の引き出しを使ったシステムキャブネットの試作を行っています。12月のウエステック2005にも展示されました。


3. オフィス家具3Rの方向性

 オフィス家具のリサイクルは低品位の鉄スクラップとして回収再資源化されるのが主で、樹脂等はリサイクルされていない。一部回収製品は中古市場に流れているものの、回収部品のリユースについては補修部品等への利用はなされていません。
 今後の目指すべき3Rの方向性としては、2つの方向性が提言されています。
 その一つは材料リサイクルの高付加価値化、二つ目は長寿命化と高付加価値化を同時に考慮したリファービッシュ製品の開発です。
 材料リサイクルにおいても、単なる鉄スクラップとして回収するのでなく、より高品位な材料再生と樹脂の再利用によるリサイクル率の向上を目指して、使用済み製品回収後の解体選別を推進することが望ましい。
 一方でリファービッシュ製品の開発に代表される長寿命化と高付加価値な資源の再利用方法についても検討の余地があります。
 中古市場における製品リユースはすでにある程度の実績があります。しかしながら製品としての利用を終え解体される製品の中にも、まだ十分に余寿命がある部品も多く、その利用機会は多いと考えられます。そこで、新造部品とリユース部品との組み合わせにより、新たな製品を生み出す可能性の検討を提言されています。
 このような取り組みを推進するためには、リース・レンタルビジネスモデルによる回収量の増加や、部品の共有化・標準化による再利用機会の増加、さらに部品再生後の用途開発の検討等が今後の検討課題として挙げられています。

付加価値、循環と寿命の分布グラフ



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