ドイツのごみのゆくえ

　レポーター： 田口理穂 さん　（2016年執筆）

ごみの出（だ）し方（かた）について　（分別方法（ぶんべつほうほう）、ごみの種類（しゅるい）や量（りょう））

うちからでるごみは、5つに分（わ）けます。

1. ビン　　

道（みち）にある大（おお）きなコンテナーにすてに行（い）きます。
ビンのコンテナーは、ハノーファー市（し）から委託（いたく）されたハノーファー清掃公社（せいそうこうしゃ）が設置（せっち）し、回収（かいしゅう）しています。

緑（みどり）、茶色（ちゃいろ）、とうめいの3種類（しゅるい）があります。

ジャムやジュース、ピクルスなどのビンで、リサイクルされます。

すててもよい時間（じかん）は、朝（あさ）7時（じ）から夕方（ゆうがた）7時（じ）までと決（き）まっています。日曜日（にちようび）はすててはいけません。日曜日（にちようび）は、静（しず）かにくつろぐ日（ひ）になっているので、ビンをすてるとうるさいからです。

ちなみに、スーパーやデパートも日曜日（にちようび）は、しまっています。日曜日（にちようび）は森（もり）に散歩（さんぽ）に行（い）ったり、家族（かぞく）や友（とも）だちとのんびりすごします。

2. 紙（かみ）　　

古新聞（ふるしんぶん）やダンボールなど紙類（かみるい）は、青（あお）い袋（ふくろ）に入（い）れたり、紙用（かみよう）のコンテナーに入（い）れてすてます。

こちらのコンテナーも、ハノーファー清掃公社（せいそうこうしゃ）が設置（せっち）し、ごみを回収（かいしゅう）します。

3. 包装容器（ほうそうようき）　　

包装容器（ほうそうようき）とは、商品（しょうひん）をつつんでいる入（い）れ物（もの）やつつみ紙（がみ）のことです。

ヨーグルトやケチャップの容器（ようき）、ジュースの缶（かん）、トレー、牛乳（ぎゅうにゅう）パック、サランラップなどをさします。商品（しょうひん）を作（つく）った会社（かいしゃ）が責任（せきにん）を持（も）って、処理（しょり）することになっています。分別工場（ぶんべつこうじょう）で自動（じどう）で洗（あら）って分（わ）けるので、よごれたまますてます。黄色（きいろ）いプラスチックの袋（ふくろ）か、黄色（きいろ）いふたのコンテナーで集（あつ）めます。処理（しょり）のお金（かね）は、商品（しょうひん）にすでに上乗（うわの）せされているので、無料（むりょう）です。

こちらのコンテナーも、ハノーファー清掃公社（せいそうこうしゃ）が設置（せっち）し、ごみを回収（かいしゅう）します。

4. 生（なま）ごみ　　

有料（ゆうりょう）で、コンテナーで集（あつ）められます。こちらのコンテナーも、ハノーファー清掃公社（せいそうこうしゃ）が設置（せっち）し、ごみを回収（かいしゅう）します。

野菜（やさい）の皮（かわ）、枯（か）れた花（はな）、枝（えだ）、落（お）ち葉（ば）などです。

料理（りょうり）の残（のこ）りや、塩（しお）の入（はい）ったものは混（ま）ぜてはいけません。数週間（すうしゅうかん）かけてコンポストにします。できた肥料（ひりょう）はハノーファー市（し）のリサイクリングホフで無料（むりょう）でくばったり、いっぱんのお店（みせ）で買（か）うことができます。

5. 家庭（かてい）ごみ　　

上（うえ）の4つ以外（いがい）のごみを「家庭（かてい）ごみ」とよび、こちらも有料（ゆうりょう）です。ちりがみやおむつ、たばこの灰（はい）、食（た）べ残（のこ）しなどです。家（いえ）やアパートごとに置（お）いてあるコンテナーで集（あつ）め、回収日（かいしゅうび）に歩道（ほどう）に出（だ）します。

コンテナーはハノーファー清掃公社（せいそうこうしゃ）が設置（せっち）し、ごみの回収（かいしゅう）もします。

2014年（ねん）、ドイツの家庭（かてい）ごみは、住民（じゅうみん）ひとりあたり174キロでした。

その他（ほか）のごみ

6. 粗大（そだい）ごみ　　

いすや机（つくえ）、ベッド、たななど粗大（そだい）ごみは、自治体（じちたい）によって違（ちが）いますが、ハノーファーでは年（ねん）に2回（かい）まで、無料（むりょう）で自宅（じたく）まで取（と）りにきてくれます。自分（じぶん）で、リサイクリングホフに持（も）ち込（こ）むこともできます。

家具（かぐ）や自転車（じてんしゃ）はフリーマーケットに出（だ）したり、張（は）り紙（がみ）をして売（う）る人（ひと）も多（おお）くいます。

7. 電池（でんち）や電化製品（でんかせいひん）、薬品（やくひん）など

ハノファー市（し）のリサイクリングホフに市民（しみん）は無料（むりょう）で持（も）ち込（こ）めます。廃材（はいざい）プラスチックや、枝（えだ）、紙（かみ）などもそうです。会社（かいしゃ）からのごみは、有料（ゆうりょう）になります。

リサイクリングホフには、ごみの種類別（しゅるいべつ）に大（おお）きなコンテナーが置（お）いてあります。

ごみは有料（ゆうりょう）？

ごみの処理（しょり）は、「生（なま）ごみ」と「家庭（かてい）ごみ」のみ有料（ゆうりょう）です。

料金（りょうきん）はごみの量（りょう）や回収（かいしゅう）の回数（かいすう）によってかわりますが、だいたいひとつの家庭（かてい）で1年間（ねんかん）あたり2万円（まんえん）から2万（まん）5000円（えん）ていどです。

ハノーファー市（し）ではごみ処理（しょり）は、市（し）に委託（いたく）されたハノーファー清掃公社（せいそうこうしゃ）がしています。他都市（たとし）でも自治体（じちたい）や第三（だいさん）セクターがしているところが多（おお）くあります。

ちなみに私（わたし）のアパートは、10世帯（せたい）が入（はい）っています。家庭（かてい）ごみと紙（かみ）は毎週（まいしゅう）、生（なま）ごみと包装容器類（ほうそうようきるい）は2週間（しゅうかん）に1回集（かいあつ）められます。アパートごとに出（だ）す回数（かいすう）と量（りょう）を決（き）めることができ、値段（ねだん）も変（か）わってきます。

ごみ処理（しょり）いろいろ

回収（かいしゅう）された家庭（かてい）ごみは、分別（ぶんべつ）して処理（しょり）します。

北（きた）ドイツのハノーファーでは、機械生物的処理（きかいせいぶつてきしょり）や、焼却（しょうきゃく）をします。

機械生物的処理（きかいせいぶつてきしょり）とは、ごみに水（みず）を混（ま）ぜて6週間（しゅうかん）はっこうさせるなど、9週間（しゅうかん）ごみの処理（しょり）に時間（じかん）をかけます。すると、メタンガスが生（う）まれます。

ハノーファーは平（たい）らな土地（とち）ですが、一番高（いちばんたか）いのがごみの山（やま）です。

2005年（ねん）までは、多（おお）くの自治体（じちたい）が分別（ぶんべつ）しないで家庭（かてい）ごみをすべて埋（う）め立（た）てていました。

「ごみは見（み）えるようにつんで、ごみをへらそうという意識（いしき）を高（たか）める」ときいたことがあります。

現在（げんざい）は法律（ほうりつ）が変（か）わり、分別（ぶんべつ）しなければなりません。どうしても残（のこ）ってしまったものだけ、埋（う）めることができます

ドイツ全土（ぜんど）には、ごみ焼却場（しょうきゃくじょう）が63基（き）あります。

焼却（しょうきゃく）はエネルギーを生（う）み出（だ）すものとして、ふえてきました。

ハノーファーでも、家庭（かてい）ごみの70%を焼却（しょうきゃく）しており、4万（まん）7000人分（にんぶん）の電力（でんりょく）を生（う）み出（だ）しています。

しかし、環境（かんきょう）への影響（えいきょう）が心配（しんぱい）されます。