![](cjc_letter30/bar2_left.gif) | 1. 世界的な資源環境の変化 | ![](cjc_letter30/bar2_right.gif) |
代表的資源である原油、鉄・非鉄金属、プラスチック、紙について、中長期的な生産・消費動向とリーマンショック前後も含む価格動向を取りまとめた。
資源の生産・消費量は西暦2000年代に入り伸び続けており、その主な原動力は中国である。リーマンショックに端を発する世界的な金融危機は世界各国・地域の実体経済に波及しており、2009年のGDP成長率見通しは戦後はじめて先進国揃ってマイナスとなる中、中国等の新興国はプラス成長を維持しており、今後も世界的な資源環境に占める重みは増し続けるものと思われる。
![図1 原油価格の推移](cjc_letter30/zu04.jpg)
図1 原油価格の推移
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![図2 鉄鉱石価格の推移(各年12月の価格)](cjc_letter30/zu05.jpg)
図2 鉄鉱石価格の推移(各年12月の価格)
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![](cjc_letter30/bar2_left.gif) | 2. 鉄に関するリサイクルビジネスの変化 | ![](cjc_letter30/bar2_right.gif) |
鉄スクラップに関しては、2000年に入ってからは中国の急速な需要増大も加わって、東アジア圏への輸出が常態化した。また、輸出ビジネスを主体とする事業者も各地に登場し、成長している。また、これらの事業者は非鉄金属、使用済み製品も取り扱うなどビジネス領域を拡大している。鉄スクラップ価格も、輸出価格、国内高炉価格、国内電炉価格がそれぞれ影響しあう状態が定着している。
![拡大 図3 粗鋼生産量の推移(2008~2009年月別)](cjc_letter30/zu06_s.jpg)
図3 粗鋼生産量の推移(2008~2009年月別)
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![図4 東アジアを中心とした世界の鉄スクラップ流通フロー(2007年)](cjc_letter30/zu07.jpg)
図4 東アジアを中心とした世界の鉄スクラップ流通フロー(2007年)
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![](cjc_letter30/bar2_left.gif) | 3. 非鉄金属に関するリサイクルビジネスの変化 | ![](cjc_letter30/bar2_right.gif) |
伸銅製品向け銅リサイクルは、厳密な品質管理の下、高付加価値の伸銅製品を製造する体制に大きな変化はない。他方、国内では銅製錬所でしか受入が対応できないようなミックスメタルや複合材は、輸出に回ることが多くなっている。(図5,6)
![拡大 図5 銅リサイクル原料の輸出量(月別)](cjc_letter30/zu08_s.jpg)
図5 銅リサイクル原料の輸出量(月別)
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![図6 銅くずの輸出単価(対中国)](cjc_letter30/zu09.jpg)
図6 銅くずの輸出単価(対中国)
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![](cjc_letter30/bar2_left.gif) | 4. プラスチックに関するリサイクルビジネスの変化 | ![](cjc_letter30/bar2_right.gif) |
プラスチックについては、材料リサイクル原料としての商品市場は元々小さかったが、容器包装リサイクル法の施行に伴うペットボトル等の分別収集の進展、国内市場の縮小、中国でのプラスチック原料需要の増大等が相まって、輸出分が急速に拡大している。
![図7 産業廃棄物プラスチックの再生利用量の推移](cjc_letter30/zu10.jpg)
図7 産業廃棄物プラスチックの再生利用量の推移
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![図8 プラスチックくずの中国への輸出量推移](cjc_letter30/zu11.jpg)
図8 プラスチックくずの中国への輸出量推移
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![](cjc_letter30/bar2_left.gif) | 5. 紙・板紙製品に関するリサイクルビジネスの変化 | ![](cjc_letter30/bar2_right.gif) |
古紙類は2000年以降中国等への輸出が増加し、国際的なリサイクルが定着しつつあるが、その影響として、古紙不足の中国等の買値によって決まる国際的な古紙価格に国内価格が牽引される等の影響が出始めている。
![拡大 図9 紙・板紙生産量の推移(月別)](cjc_letter30/zu12_s.jpg)
図9 紙・板紙生産量の推移(月別)
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![図10 新聞古紙価格の推移(問屋店頭渡し価格)](cjc_letter30/zu13.jpg)
図10 新聞古紙価格の推移(問屋店頭渡し価格)
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![](cjc_letter30/bar2_left.gif) | 6. その他のリサイクル関連産業 | ![](cjc_letter30/bar2_right.gif) |
我が国の経済は成熟期に入っており、リサイクル資源の受け皿となる金属や紙といった製品市場も同様に成熟期にある。セメント産業のように多種・多様な廃棄物・副産物を受け入れてきた産業も、製品そのものの需要が減少ぎみである。
![図11 国内セメント生産量の推移](cjc_letter30/zu14.jpg)
図11 国内セメント生産量の推移
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![図12 セメント生産高と廃棄物・副産物使用量・使用原単位の推移](cjc_letter30/zu15.jpg)
図12 セメント生産高と廃棄物・副産物使用量・使用原単位の推移
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![](cjc_letter30/bar2_left.gif) | 7. リサイクルシステムの構築 | ![](cjc_letter30/bar2_right.gif) |
我が国の資源リサイクルをめぐる環境は、国際化を主な要因としてここ10年の間に質的な変化を遂げており、回収・処理・利用それぞれに関わる事業者は対応を迫られている。リーマンショックという大きな経済変動は、その変化を顕在化・尖鋭化したものだと言える。東アジア圏において我が国が付加価値の高いリサイクル産業を維持・発展させるには、ハード面では中間処理段階における高度選別システムの導入促進、技術開発、ソフト面では分別の高度化による資源品質の向上やリサイクル資源の規格化といったビジネス展開が必要である。
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