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リサイクル
北九州市(北部九州・古着地域循環推進協議会)の衣類のリサイクルと地域活性化
活動主体
北九州市、 (株)エヌ・シー・エス(株式会社チクマ他2社による共同出資)など
対象
古着
取組み概要
(処理技術、仕組みなど)
北九州市および周辺自治体では、2014年より家庭から出た古着や事業所(工場や銀行、航空会社など)の使用済みユニフォームを回収し、北九州エコタウン内にある(株)エヌ・シー・エスの工場にて綿状のリサイクル繊維にマテリアルリサイクルしている。そのリサイクル繊維は、同地域にある自動車用内装材製造メーカーが吸・遮音材に加工し、自動車メーカーが新車の部品として使用している。
このような衣類の地域循環を推進するために、北九州市は古着の回収やリサイクルに協力してくれる周辺自治体や企業・団体と連携した「北部九州・古着地域循環推進協議会」を設立し、衣類のリサイクルを通じた地域活性化に取り組んでいる。
衣類などの繊維の廃棄物が循環するしくみ
(出典:北九州市ホームページ、株式会社 エヌ・シー・エスホームページより作成)
なぜ北九州市は古着の循環システム形成に取り組んでいるの?
北九州市 環境マスコット キャラクター ていたん
古着について、こんな課題意識をもっているんだ。
- 市民が排出する古着は、個々の取り組みに留まっている (例:集団回収、リサイクルショップ、フリーマーケットなど)
- 古着の一部は東南アジアへ輸出されているが、海外市場は変動が大きく不安定
- 工業用ウエス原料等に利用する場合、リユースできる古着の素材に制約がある
- 世界的に衣類の資源が制約される中で、国内の資源確保が必要
そこでこんな対策を考えたよ。
-
- 市民の古着の廃棄における選択の多様化と利便性の確保
- 2Rを重視したライフスタイルへの転換
- 海外市場変動に左右されない安定した地域特性
このように、地域の中で循環システムを確立しながら、廃棄物の減量・資源化の推進や、低炭素社会の実現を図ることで、環境と経済が両立したグリーン成長を目指しているんだ!
そこで周辺地域を含めた多様な関係者の参画を求めて、古着の地域循環システムを実現するために北部九州・古着地域循環推進協議会を設立しているよ。
あれ? 古着のリユースやリサイクルには課題があるよ!
資源や経済の面でも課題があるよ! みんなはどの課題を発見できた?
北九州市 環境マスコット キャラクター ブラックていたん
地域で循環のシステムを形成するためには、
- 質の良い古着(かびが生えていない、汚れていないなど)をまとまった量回収すること
- 回収した古着を運搬すること
- 古着をリサイクルすること
- リサイクルされた再生繊維を加工し、利用すること
が必要なんだ。
そこで、北九州市と古着をリサイクル繊維化する(株)エヌ・シー・エスが事業主体となり、古着リサイクル事業に参画する自治体や、古着の回収に協力してくれる事業者(収集運搬業者など) 、古着リサイクル事業関係者とこのように連携して、古着の地域循環システムを運用しているよ。
(出典:(株)北九州市ホームページ、(一社)産業環境管理協会「平成27年度3R先進事例発表会講演予稿集」より作成)
なぜ北部九州でリサイクル繊維を車の部品に加工するの?
北部九州エリアは、日産自動車九州(株)、トヨタ自動車九州(株)、ダイハツ九州(株)、日産車体九州(株)の4つの自動車メーカーが立地する、自動車生産拠点なんだ。
もともと、リサイクル繊維は車の内装部品に加工されていたんだ。
でもその多くは、北部九州以外から調達されていたので、コストや環境に大きく負荷があったんだ。
そこで、北部九州地域で古着を地域内で着実に資源として循環する高度な地域循環圏を形成し、さらに自動車部品の地場調達率を向上させることに取り組んでいるんだ。
今まで遠くから運んできた原料が、近くの地域で手に入るようになるのかぁ。エネルギー消費の面ではどんな効果があるかな?
古着がリサイクル繊維としてもう一度生まれ変わり、地域産業の中で活かされている。地域経済にどんな影響があるかな?
衣類ならなんでもリサイクルできるの?
北九州では
こんなものはリサイクルできないんだ。
リサイクルを困難にしている原因になるんだ。
衣類を出す時には一緒にしないでね!
※地域により、ごみの分別と出し方のルールが違うよ!
衣類のリサイクルを推進するために、衣類をごみ出しするときは、みんなが住んでいるまちのごみ分別ルールを確認しよう!
(出典:北九州市ホームページ)
北九州市は
公害克服の技術と経験を生かして、環境国際協力や循環型社会づくりを進めているよ。くわしくはここ(北九州市の公害克服)を見てね!