鉄鋼のマテリアルフロー 2015年度
(データご提供: 一般社団法人日本鉄鋼連盟)
1 天然資源の採掘→鉄鋼生産
鉄鋼は鉄鉱石と石炭(原料炭)を主原料として高炉で作られた銑鉄や使用済みとなったさまざまな鉄鋼製品を回収した鉄スクラップから生産されます。鉄の原料材になる銑鉄と鉄スクラップは鉄源とよばれています。鉄鉱石と石炭(原料炭)はすべて外国から輸入され、鉄スクラップは主に国内で回収されたものが使用されています。
鉄の原料(鉄鉱石や石炭)はどこからきているんだろう?
探究のヒント
Q1鉄の原料はどこから?
Q2昔から日本で採掘できないの?
釜石市
(一財)石炭エネルギーセンター
Q3どうして昔は採掘していたのに、今は輸入に依存しているの?
経済産業省 資源エネルギー庁 エネルギー白書2018
輸入に依存しながら、どうやって安定的に鉄の原料を確保しているんだろう?
探究のヒント
外務省
金属鉱物資源をめぐる外交的取組~ベースメタルとレアメタルの安定確保に向けて(「わかる!国際情勢」平成23年2月) 【外部リンク】
経済産業省 資源エネルギー庁
あらためて考える、日本における「石炭」の役割 【外部リンク】
独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構
鉄鋼はどうやって、どのくらい生産されているの?
探究のヒント
(一社)日本鉄鋼連盟
→鉄の作り方、用途など:みんなの鉄学 【外部リンク】
→国内生産量:鉄鋼生産速報 【外部リンク】
(公財)JFE21世紀財団
●世界は?
(一社)日本鉄鋼連盟
世界鉄鋼協会(World Steel Association AISBL)
生産された鉄はどうなるの?
探究のヒント
2 鉄鋼の加工、消費
日本で生産された鉄鋼は鋼材のまま約40%が輸出されますが、残りは国内でさまざまな部品や製品に加工されて利用されています(例:日用品、電気製品、自動車、機械、建物、橋、土木資材など)。これらの鉄鋼製品の30~40%は輸出され、残りは国内に蓄積しています。
鉄の需給についてもっと知りたい場合は?
3 鉄鋼のリサイクル
国内に蓄積された鉄鋼製品は、製品の寿命が来ると鉄スクラップとして回収され、新しい鉄鋼をつくる原料として使用されています。鉄鋼製品は用途により使用期間がさまざまで、鉄スクラップとして回収されるまでの期間は製品の寿命に依存しています。例えばスチール缶は使用後すぐ回収されますが、自動車や機械は約10年後、建物や橋は約25~30年度に回収されます。
また、鉄スクラップはその発生源に応じて、製鉄所から発生する「自家発生スクラップ」、鉄鋼製品の製造の際に発生する「加工スクラップ」、鉄鋼製品の使用後に回収される「老廃スクラップ」の3つのタイプに分類されています。
フロー図によると、鉄スクラップは輸入されたり、輸出されているよ。
どんな国と取引しているんだろう?
探究のヒント
(一社)日本鉄源協会
●世界の情報にチャレンジ!
世界鉄鋼協会(World Steel Association AISBL)
→Steel Statistical Yearbook 【外部リンク】 の最新号をクリック
ヒントになるキーワード:Scrap
鉄スクラップはどのくらい、どうやってリサイクルされているの?
具体的な事例で知りたい!
鉄鋼の3Rは?
鉄源:
鉄鉱石から生産された銑鉄、鉄スクラップのこと。これらをもとに製錬し、様々な種類の鉄鋼を製造。なお、鉄鉱石の段階では鉄源とはよばない。
製鋼スラグ:
鉄源から鉄鋼製品のもととなる鉄をつくる際に発生する鉄の以外のものが溶融、固化したもの。おもに精錬に使用した酸化カルシウムや酸化ケイ素などからなる。
粗鋼:
様々な鉄鋼製品(鋼材)に加工される前の鉄のかたまりのこと。形状などによってインゴット、スラブ、ブルーム、ビレットなどと呼ばれている。
鋳物:
鋳型に溶けた金属を流し込んで作った製品のこと。
電炉:
主に鉄スクラップを電気炉で溶かして鉄鋼(粗鋼)を生産する製鉄法。
なお、電炉は電気炉の略称。
転炉:
主に溶けた銑鉄から鉄鋼(粗鋼)を生産する製鉄法。
なお、使用する製錬炉の名称を転炉といい、この精錬法を転炉法という。
鋼材:
粗鋼を加工することにより生産されたさまざまな形状・機能の鉄鋼製品のこと。
ヘビースクラップ:
鋼板、H形鋼などをせん断した鉄スクラップ。
自家発生スクラップ:
製鋼メーカーの鉄鋼工場で、鉄を生産するときに発生する鉄スクラップ。鉄鋼工場内でリサイクルされ、市中に出回ることはない。
加工スクラップ:
鉄製品を加工する機械、電機、車両、造船その他の工場等での工程から発生する鉄スクラップ。
老廃スクラップ:
使用済みの鉄くず(例:自動車、 鉄筋、建築用鋼材、 家電製品、 スチール缶)。
鉄鋼蓄積量:
日本国内で使用され、現在何らかの形で国内に残っている鉄の総量のことで、その形態はビルや橋などの建築物や自動車、家電製品などさまざま。