タングステン W
国内消費量(2014年) | 7,633 トン |
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鉱石生産国(2014年) | ①中国(87%)②ロシア(2%)③カナダ(2%) |
輸入国(2014年) | ①中国(56%)、②ベトナム(38%)、③ドイツ(6%) |
国内主要用途 | 超硬工具、特殊鋼(工具鋼) |
(ⅰ)需給動向
2014年のタングステン供給量は中国が横ばいで、非中国が前年比108%と増加したものの、DLA(米国政府 備蓄)等の放出分が大幅に減少したことから、全体では前年比99%の82,730tとなった。 2013年以降の世界のタングステン需要量に関する公開データはないが、2014年の世界のタングステン需要量は、米国、日本は好調を維持し、欧州も増加に転じて、全体では堅調な需要となっていると推察される。なお、米国や中国の場合、タングステン需要は鉱山開発や鉱山経営の影響を受け、世界的に鉱石採掘量が 2014年になり減少したことを受けて、この分野のタングステン需要量も減少している。 2014年の鉱石生産量は前年より僅かに減少して97,519tであった。鉱石生産量の87%を中国が占めている。 タングステンの供給に関して、タングステン相場が総じて高止まり状態だったことから、中国外の新規開発プ ロジェクトが相次ぎ、2013年秋からベトナムのNui Phao鉱山が精鉱生産を開始したほか、豪州のWolfram Campプロジェクトが生産を開始した。以上のことから、タングステン精鉱のタイト感は総じて薄れている。(出典:JOGMEC 鉱物資源マテリアルフロー 2015)
(ⅱ)使用済みレアメタル含有製品の排出量
タングステンを主な原材料としている超硬工具の排出量は今後増加する見込みである。
タングステンを含有する使用済超硬工具のリサイクルによるポテンシャルは、2010年では国内需要に対して約46%、2020年では約55%となる見込みであり、既に高いポテンシャルを有している。
タングステン含有製品の排出見通し
タングステンのリサイクルによるポテンシャル*
(ⅲ)技術開発動向
使用済超硬工具から超硬合金原料(タングステン)を再生する技術として、亜鉛処理法や化学処理法が既に実用化されている。
(参考:産構審、中環審合同会合 レアメタルリサイクル中間取りまとめ H24.9)