レアメタルリサイクル/産業環境管理協会/資源・リサイクル促進センター

(一社)産業環境管理協会 資源・リサイクル促進センター

ネオジム Nd、ディスプロシウム Dy

国内消費量(2010年) 5,800 トン(ネオジム5,200トン、ディスプロシウム600トン)
鉱石生産国(2010年) ①中国(97%)、②インド(2%) レアアース酸化物として
輸入国(2010年) ①中国(82%)、②ベトナム(3%)、③韓国(2%) レアアース酸化物として
国内主要用途 ネオジム:磁石 ジスプロシウム:磁石

(ⅰ)需給動向

ネオジム、ジスプロシウムを含むレアアース全体の国別鉱石生産量では、9割強を中国が占めており、輸入相手国でも中国が8割のシェアを占めている。また、資源価格は、2011年7月をピークに下落しているものの、高騰以前の価格に対しては、依然として高い水準となっている。
主要供給国の中国では、レアアースの輸出数量管理を強化し、大幅に供給削減しており、日本にとって供給リスクとなっている。
2010年時点での我が国におけるレアアース全体としての自給率は、鉱山開発及びリサイクルともに0%であり、供給のほぼ全量を輸入に頼っている。
ネオジム・ジスプロシウムは、主として強力な永久磁石であるレアアース磁石の原材料として用いられており、応用製品としてハードディスク、エアコン等の家電製品や産業機械のモーター、次世代自動車(HV、PHV、EV)の駆動モーターに搭載されている。
なお、ネオジム磁石製造においては、投入されるネオジム・ジスプロシウムを含有する原材料のうち35%程度が研磨スラッジや切削くずとなる。これら工程くずは、ほぼ全量が原料合金メーカーに戻された後、品位の高いものは、ネオジム磁石合金の製造段階へ原材料としてリサイクルされ、その他のものについては、ネオジム、ジスプロシウムの製造工程へ戻してリサイクルされている。国内需要量は、今後も次世代自動車や高性能家電等のネオジム磁石搭載 製品の需要増加により、増加が見込まれる。

(ⅱ)レアメタル含有製品の排出量

ネオジム磁石搭載製品の排出見通しは、次世代自動車や高性能家電等のネオジム磁石搭載製品の排出に伴い、今後大幅に増加する見込みである。使用済製品のリサイクルによるポテンシャルは、2010年では、国内需要に対してネオジム、ジスプロシウム共に1%に満たないものの、2015年頃より増えはじめ2025年においては、ネオジムで約7%、ジスプロシウムで約11%まで増加するする見込みである。

ネオジム、ジスプロシウム含有製品の排出見通し

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ネオジム、ジスプロシウムのリサイクルによるポテンシャル

ネオジム_ジスプロシウムのリサイクルによるポテンシャル700x328by600

(ⅲ)技術開発動向

ネオジム磁石を含む使用済製品からネオジム磁石を回収する前処理技術に関して、使用済ハードディスクや使用済エアコン・コンプレッサー、次世代自動車の使用済駆動用モーターについては、各々要素技術が開発され、実用化に向けた実証が進められている。また、使用済斜めドラム式洗濯機モーター、自動車の使用済電動パワーステアリングモーター、については、各々要素技術が開発されているものの、今のところ実用化に向けた実証は行われていない。一方、回収されたネオジム磁石からネオジムやジスプロシウムを回収する後処理技術は既に実用化されている。

(参考:産構審、中環審合同会合 レアメタルリサイクル中間取りまとめ H24.9)

 

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