エアコン用コンプレッサーモーターからネオジム磁石の回収(パナソニック エコテクノロジーセンター株式会社)
当社では、使用済み家電からリサイクル素材を取り出して、再び新しい商品を作り出す材料として生かしている。そのための新しいリサイクル技術の研究開発にも力を入れており、さらに、実際のリサイクル現場で分かったことをパナソニックグループの商品開発部門とも共有し、新しい商品をつくる際にも役立てている。
今回は、使用済みエアコンからコンプレッサーモーターに使用されているネオジム磁石を回収するシステムを構築し、磁石材料メーカー、磁石メーカーと共同でレアメタル資源の循環を行っている中から、磁石を回収する工程を紹介する。
【工程】
- フロン回収後、エアコンの室外機のカバーを外し、コンプレッサーを手解体で取出す。
- コンプレッサーをシェル(外郭)カット装置に取付け、ローター部、ステータ部、蓋部の3分割にし、ローター部を取出す。
- ローター部をローター引抜装置に取付け、油圧力でローターを把持し引抜く。
- 引き抜いたローターは磁力が残っているため、コイルに高電圧を印加し、交番磁界を発生させ共振減衰法を用いて磁力を脱磁する。
- ローターを切断機に取付け、積層珪素鋼板を挟み込んでいる連結ピンを切断するために、珪素鋼板最上部に回転刃を当てピンを切断する。
- 磁石が剥き出しになった面を下方にし、自動機で持ち上げた後、自然落下をさせ、慣性力で脱磁した磁石を取出す。