ハードディスク(HDD)とエアコン・コンプレッサーのレアアース磁石分離回収技術の開発と実証(株式会社日立製作所)
従来、HDD中のレアアース磁石は手分解後に分離回収する必要があるため、コスト高となり、回収されていない。また、エアコン・コンプレッサー中のレアアース磁石は、分解に手間がかかる上に、強力な磁場のために安全に分離回収することができなかった。
これらの理由で、レアアース磁石はいずれも価値の低い「雑鉄」として処分されていた。
そこで、本事業ではHDDに対しては、①自動的に分離するHDD分解装置と、②分解残渣から貴金属を濃縮する装置を開発し、③VCMについては加熱脱磁した後、ネオジム磁石のみを選択的に分離する装置を開発した。
エアコン・コンプレッサーに対しては、①ケースを自動切断する装置、②内部のローターを自動的に分離する装置、③共振減衰脱磁法で常温脱磁する装置、④ローター内部のネオジム磁石を落下衝撃で分離する装置を開発した。
いずれも手分解に比べて経済性が向上し、回収した磁石は磁石製造会社に売却して原料として利用されている。